最近はレコードやCDの買取が増えて、嬉しい悲鳴をあげています。
ありがたいことに忙しさは増す一方ですが、その反面どうしても疲れが溜まりがちです。
そんな時、近所の福岡市早良区にあるワールド・ミュージック・カフェ 「HiLo」 さんでひと息つくのが、いまや僕の休日の定番になっています。
HiLoさんには、ハイエンドな高級オーディオが据えられていて、ゆったりとした空間でレコードやCDをじっくり聴くことができます。
仕事の緊張がほどけていき、音の世界に包まれるあの時間は、本当に特別です。気づけば心も体もスッと軽くなっている。ここ最近の、何よりの癒しです。
せっかくなので、そこで聴いたレコードやCDについて、感じたこと・気づいたことを少しずつ語ってみようと思います。
最高のシステムが導いた意外な結論
オーディオの世界で「音の良さ」の頂点に立つのは、どのレコードでしょうか? 現代の最高解像度(SACD)か、歴史的な生々しさ(初期モノラル)か。
今回、私はハイエンドなオーディオシステムを使い、以下の3つの音源を「音の良さ」と「アナログ感」という軸で徹底比較しました。
• 現代の最高峰: ノラ・ジョーンズのSACD
• 歴史的な生々しさ: ビリー・ホリデイの初期モノラル録音(CD)
• そして、本場UKのクラブミュージック: ジャミロクワイの90年代オリジナル・アナログ盤(主にヨーロッパ盤)
結果、私の個人的な「音の良さ」の頂点に立ったのは、なんとジャミロクワイのUKアナログ盤でした。
なぜ、ノラ・ジョーンズのSACDや、ビリー・ホリデイの神々しい歌声を超えて、90年代UKのダンスミュージックが「最高」と評価されたのか? その裏には、クラブミュージックの本場で培われたカッティング技術の極みが隠されていました。
ノラ・ジョーンズの音は美しかった。ビリー・ホリデイのスイング感にため息を漏らした。しかし、最も聴覚的な快感と「アナログ感」を与えてくれたのは、ジャミロクワイのレコードが持つ「身体を揺さぶるエネルギー」だったのです。
クラブミュージックの原盤カッティング技術の極み
衝撃の結論とその理由:UKカッティングの真実
ジャミロクワイのレコードは、UKソニー(Epic/Sony Soho Square)からリリースされました。このことで導びかれた結論は、90年代初頭のUKアナログ技術の凄さを証明しています。
1990年代初頭のUKは、アシッド・ジャズやハウス、テクノといったクラブ・ミュージックの世界的中心地でした。
この市場で成功するため、レコードはクラブの巨大なスピーカーで最大限のパフォーマンスを発揮できるよう、専門の技術者によってカッティングされました。
中低音への徹底的なこだわり: DJが求める「重厚でキレのあるキックドラムとベース」を出すために、通常のレコードよりも音圧を高く、溝の幅・ピッチを調整し、低音域を刻めるよう最適化、専門的な技術が惜しみなく投じられました。
「デッドな音」を「躍動感」に変える魔法
ジャミロクワイの楽曲は、録音スタジオで反響を抑えた「デッドな音」で録音されていました。これはクリアな音像を作るための手法です。
しかし、UKの熟練カッターたちは、このソリッドな音源に対し、アナログ特有の「重み」と「倍音のゆらぎ」を巧みに加えることで、「デッドなのに最高のグルーヴを持つ音」へと昇華させたのです。
これは、ジャズマニアが好むような「空間の響き」を重視する優秀録音とは別軸の、「リスナーの身体を動かすための音響の実力」が最高潮に達した結果と言えます。
アナログの真価は「エネルギー」にあり
「ミュージシャンの実力」ではビリー・ホリデイが上かもしれません。しかし、「音響的な快感」という軸で、ジャミロクワイのUKアナログ盤は頂点に立ちました。
これらの聞き比べは、単に音源の良し悪しを比較しただけでなく、90年代初頭のUKクラブシーンとオーディオ技術者が生み出した「音のエネルギーの魔力」を見事に捉え、解き放ったのです。
ジャミロクワイのUKプロモ盤には、90年代UKクラブ文化の美学と、当時の最高峰の録音・カッティング技術が結晶している。
そして先日、私はついにその音を“身体で浴びる”という体験をした。
理屈ではない。音の粒が全身を突き抜け、心拍すら支配するようなエネルギー。
その瞬間、私は確信した。「音の真実」とは、聴覚を超えて“身体を揺さぶる力”の中にあるのだと。
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