福岡市西区の当店へビートルズ買取の色々
先日の福岡市西区の当店へのビートルズのレコード持ち込みに続き、最近もビートルズ関連の品がいろいろと入ってきています。
カセットテープ、赤盤を中心としたシングルレコード、アメリカ盤モノラルCDボックス、UKオリジナルのシングル盤など、ちょっと珍しいものもちらほら。
また、11月2日の日曜日、13時開店、14時から福岡市早良区田村のワールドミュージックカフェ「HiLo」にて、私が司会を務めるビートルズ講座も開催予定です。
最近は、エンジニアの**ジェフ・エメリック著『ビートルズ・サウンド 最後の真実』**にもハマっており、アウトテイクや別ミックス音源をいつも以上に深く聴き込んでいます。
今回はその中から、**『サージェント・ペパーズ』50周年記念盤のディスク2に収録された『Penny Lane テイク6(インストゥルメンタル)』**について、少し触れておきます。
インストの中に息づく旋律
ペニー・レインには、よく知られたバージョンとは別に、テイク6という控えめなインストゥルメンタルがある。
歌はない。けれど、旋律はそこにある。
それを奏でているのが、アップライトピアノだ。
音が重なる、波のような構成
Bメロに入ると、音が少しずつ増える。
シンバル。
タンバリン。
ピアノのタッチが変わる。少しずつ強く、跳ねるようになる。
まるで海の波のように押しては引く。
その構造が、どこかPet Sounds的な空気をまとっている。
『Help Me, Rhonda』のように、音が折り重なりながらリズムが揺れ、
コーラスや打楽器が出たり引っ込んだりする。
あの感じに近い。
ただし、ポールは声を出さない。ピアノだけで語っている。
作りかけの音が語るもの
この50周年記念盤のディスク2には、他の収録曲でもピアノが前面に出ているものが多い。
まだ作りかけであるがゆえに、構成の骨組みがむき出しになっていて、旋律とピアノの関係がより親密に感じられる。
もしこのままのシンプルな音像で、『サージェント・ペパーズ』や「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」のシングルが構成されていたら……
もっとPet Soundsのように、私小説的な作品になっていたかもしれない、とも思う。
彩度の高い完成版との違い
完成版の「Penny Lane」はもっと彩度が高く、もっと陽気だ。
でもこのテイク6には、旋律の輪郭と、その余白がある。
そしてそれが、不思議とブライアン・ウィルソンの影を呼び込んでいるように思える。
ピアノで語る旋律、その静けさ
全面的にアップライトピアノが旋律を担うビートルズ曲は珍しい。
「歌がなくても、ピアノだけで歌っている」──
それが成立するだけの旋律の強さ、そして演奏の繊細さ。
他にも、似た質感のある未完成テイクや、波のような構造を持つ曲があるかもしれない。
でもこのPenny Laneのテイク6は、そういった断片の中でも、ひときわ静かに響くひとつとして、耳に残っている。
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