福岡市南区で当店へ洋楽カバーポップやGSのレコードの持ち込みがありましたが、それ以来、GS、特にゴールデン・カップスの45回転EPの独特のグルーヴにハマっています。
45回転ならではの音圧と、ジャズ界隈のスタジオミュージシャンによるジャストなリズム。
そして、和製R&B発祥期ならではの独特の歌唱がじわっと滲み出るあの瞬間──これが病みつきになります。
「過ぎ去りし恋」のブルーアイドソウル
「過ぎ去りし恋」は、ヤング・ラスカルズを思わせるブルーアイドソウル感が魅力。
落ち着いたコード進行と温かみのあるオルガンの響き、サビでのデイヴ平尾とマモル・マヌーの二人の掛け合いがじわっと高揚感を生みます。
英語で歌われていることで、海外のブルーアイドソウルと並べても違和感がない仕上がりです。
GS版ライチャス・ブラザーズ
「アンチェインド・メロディー」では、ソフトな声のマモルがリードを取り、デイヴのファルセットを交えた力強い声が重なることで、ライチャス・ブラザーズのような深みのあるデュオに聴こえます。
さらに、どこかムード歌謡的な情緒も漂い、日本語ポップスならではの甘さと叙情性がにじみます。
派手さはなく、静かに感情が積み上がっていくタイプの演奏ですが、後半のデイヴのシャウトにはしっかりとした迫力があります。
スタジオ録音ながら、バンドの熱がじわっと伝わってくる一曲です。
こうして聴き込むと、「長い髪の少女」もまるでライチャス・ブラザーズのように聞こえてきます。
スタジオ録音と演奏の魅力
カップスのEPは、歌謡曲の録音手法で作られていますが、演奏は本気のR&Bバンド。
ドラムには猪俣猛や石川晶、ベースには江藤勲といったスタジオの名手が参加し、ジャストなリズムと落ち着いた低音が全体を支えます。
「いとしのジザベル」では哀愁あるメロディとソウルフルな演奏がせめぎ合い、
R&Bバンドによるちょっとヘンテコなサウンドになっているのが面白い。
一度聴くとクセになり、つい繰り返し聴きたくなる曲です。
このようにソウルフルなボーカル陣に加え、スタジオ・ミュージシャンとともに、当時のロック界最強とも言える布陣──エディ藩、ルイズルイス加部、ケネス伊東──が演奏に参加していたのです。
こうした背景を踏まえれば、現在ゴールデン・カップスが「日本初の本格的ロック・バンド」と評されるのも、まさに当然と言えるでしょう。
山下達郎の評価
山下達郎さんもラジオで「GSの中ではカップスは別格」と語り、演奏力とボーカルの完成度を高く評価しています。
ラスカルズやライチャスを愛聴してきた達郎さんにとって、カップスは日本語でその空気感を表現した特別な存在だったのかもしれません。
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