フィレス以降の再評価と幻のセリーヌ・セッション
先日、ビートルズのレコードの出張買取で 福岡市城南区 に行ってきました。
改めてビートルズ関連のフィル・スペクター・サウンドと、本家フィレス時代の作品を聴き比べてみると、やはりスペクターの黄金期はフィレス期に集中しています。
しかし、実はフィレス崩壊後にも“ウォール・オブ・サウンド”が甦った瞬間がありました。
ここでは、私が「裏フィレス名盤」と呼びたい5作を紹介します。
1. George Harrison – All Things Must Pass
ビートルズ解散直後の大作。
「My Sweet Lord」「Isn’t It a Pity」に代表される分厚いコーラスと壮大なスケール感は、スペクターのウォール・オブ・サウンドがジョージの楽曲に見事に融合。
フィル・スペクター 後期 名盤として必聴です。
2. John Lennon – Menlove Ave.
1973年のスペクター・セッションを収録した未発表曲集。
「Angel Baby」「To Know Her Is to Love Her」「Here We Go Again」など、分厚いエコーと迫力ある音像はまさに70年代版ウォール・オブ・サウンド。
『Rock ’n’ Roll』よりも、こちらの方がスペクターの存在感が強烈に響きます。
3. John Lennon – Some Time in New York City
賛否の分かれるアルバムですが、ここでもスペクターの色が濃く出ています。
「Woman Is the Nigger of the World」では深いエコーが曲の迫力を増しており、ヨーコの「Sisters, O Sisters」はまるで60年代ガールポップ風。
女性アイドル系を得意としたスペクターが、ヨーコの可憐な声をガールグループ的に演出しているのが印象的です。
今回の文章を書くにあたって改めて聴き直してみると、当初感じていたほどスペクターらしい音響は強くないようにも思えました。
しかし、全体を包むような“熱い音の塊”は確かに存在しており、スペクターが巧みにアレンジを施しているのが感じ取れます。
このアルバムが賛否を呼ぶのは、ヨーコの楽曲が多いことも一因でしょう。
それでも、私はこの独特のエネルギーと世界観がとても好きです。
4. Ramones – End of the Century
パンクのシンプルな3コードにウォール・オブ・サウンドをぶつけた異色作。
「Do You Remember Rock ’n’ Roll Radio?」はラモーンズ史上もっとも壮大な曲で、当時は賛否両論ながら今ではスペクター後期の隠れた名盤として再評価されています。
5. Céline Dion – Unreleased Spector Sessions
幻の未発表セッション。
セリーヌのパワーボイスに深すぎるエコーをかけたトラックは、もしリリースされていればスペクター復活の名盤として語り継がれていたでしょう。
福岡でレコード・CDの音楽遺産を買取ります
フィレス時代で頂点を極めたスペクターは、その後「落ちぶれた」とも言われます。
しかし、ジョージ、ジョン、ヨーコ、ラモーンズ、そして幻のセリーヌ──この5作には、間違いなく“裏フィレス”とも言える黒いウォールが甦っています。
ウォール・オブ・サウンドは決して1960年代の遺物ではなく、今聴いても普遍的な迫力を持つ表現です。
そして、こうした音楽遺産を物理的に残すのがレコード。
レコード買取は福岡市西区の当店へ。 ビートルズやスペクター関連の名盤から、ジャズ・ロック・ソウル・ブルース・和モノまで幅広く出張買取しています。城南区をはじめ福岡市近郊どこでもお伺いしますので、お気軽にご相談ください。