今日、長崎から来てくれる常連のお客さんが店に寄ってくれて、こう切り出された。
「ようやく、ザ・バンドの素晴らしさが分かったよ」
その時、ちょうど店でかけていたのが1950年代初頭のT-ボーン・ウォーカーだったのだが、
「今かかっているこれも、ザ・バンドに聞こえますよ」と僕は言った。
「やっぱり、バンド(ザ・バンド)はブルースなんだな」と。
驚くのは、50年代初頭という早すぎる時期に、
このバンド・アンサンブルが既に完成されていることだ。
一言でいえば「音の出し入れ」が完璧すぎる。
全員が鳴らしっぱなしじゃない。
誰かが一歩出れば、誰かがスッと引く。
この呼吸、この隙間の作り方。
「引き算」の美学が、この時代にこれほど高い精度で鳴っていたのは、
早すぎたとしか言いようがない。
この洗練のルーツを辿れば、少年時代の彼がブラインド・レモン・ジェファーソンの案内役(リード・ボーイ)をしていた事実に突き当たる。
当時、最も人気のあったカントリー・ブルースのレモンのすぐ横で、あの強烈なギターを全身で浴び、大衆性を感じ取った少年が、やがてモダン・ブルースの設計図を書き換えた。
レモンの持っていた「個」のパワーを、T-ボーンは緻密なアンサンブルの中に閉じ込め、エレキ・ギターでモダンに再現させた。
ザ・バンドのロビー・ロバートソンは「僕のギターの弾き方は、すべてT-ボーン・ウォーカーから学んだ教科書なんだ」と公言している。
あのザ・バンド特有の、無駄な音を弾かない「タメ」の美学は、ロビーが少年時代にT-ボーンから受け継いだ直系のものであることは疑いようがない。
また、ストーンズのキース・リチャーズもこう言っている。
「T-ボーンはエレキ・ギターでブルースを弾く方法を発明した男だ。彼がいなければ、今の僕らは誰もここにいない」
ストーンズが追求し続けた、ギターが会話するように絡み合うアンサンブルの源流も、間違いなくここにある。
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