昔はPCで音楽を聴くのが好きだった
2010年頃、MacのiTunesの美しいグラフィックを見たとき、きれいに整理された音楽がワンクリックで聴けることに、ものすごく未来を感じた。CDを何百枚も棚から探すより、PCの中に全部入っているほうが合理的だと思った。
ところが、長く使っていると少しずつ面倒になってきた。特に機械音痴の僕にとって苦痛なことが多かった。
PCの買い替え、ハードディスクの容量、データの移行、バックアップ、OSの変化。音楽を聴きたいだけなのに、いつの間にかPCそのものの面倒を見る必要が出てくる。
結局、店で安い中古CDを買ってきて、CDプレーヤーに入れて聴くほうが早い。
CDについて
心理学には「心理的所有感」という考え方がある。法律上の所有とは別に、「これは自分の物だ」と感じる感覚のことだ。
実際に消費者を対象にした研究でも、デジタル版より物理版のほうが価値を高く評価されやすく、その背景には「自分のものだ」と感じる心理的所有感が関係していることが示されている。AIに調べてもらったところ、オズギュル・アタソイとキャリー・モアウェッジによる2018年の研究でも、このことが報告されている。
ストリーミングについて
ストリーミングは圧倒的に便利だが、基本的には「所有する」のではなく「アクセスする」ものだ。
だから、スマホで寝る前に音楽を聴くだけならApple Musicは最高だと思う。
特に面白いのは、知らない音楽との出会いだ。
例えばApple Musicで「1920年代ジャズ」と検索する。すると、自分が知らない演奏家やオムニバスが次々に出てくる。
そこで、最初から名前やジャケットを見て判断しない。ただ聴く。
「今の演奏、なんかいいな」と思ったら、そこで初めて名前を調べる。
これは自分にとって、かなりいい聴き方だと思っている。
レコードについて
レコードは、CDとはまた違う。やっぱり大きいのは音質だと思う。
いいレコードをきちんとしたオーディオで鳴らしたときに感じる、あの独特の空気感は魅力的だ。
音がスピーカーから出てくるだけではなく、部屋の中に広がる感じがある。楽器の周りに残響が残り、録音された空間まで一緒に聴こえてくるような瞬間がある。
あの感じは、レコードを聴く大きな楽しみのひとつだと思う。
ただ、レコードについては少し僕は事情が違う。
自分にとってレコードは、単なるコレクションではなく、商売道具でもある。買い取ったレコードを全部自分のコレクションにしてしまったら、商品がなくなって廃業一直線だ(笑)。
妥協点を求めるとCDになる
だから今の自分にとって、ストリーミングは音楽との出会い、CDは音楽を所有して聴くためのもの、レコードは音が良いのは分かってるが商売道具(笑)、こんな感じで接している。
結局、妥協点を求めるとCDになる。
追伸
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