福岡市西区、城南区、糸島市レコードCD買取
福岡市西区、福岡市城南区、糸島市とレコードやCDの買取がありまして、1970年代ロックやシティポップのレコードを聞いて、新たな発見が多くありました。
例えばジェネシスのUS盤レコード「Selling England」を再生チェックで聴き、普段あまりプログレを聴かない僕が思わずSNSで呟いてしまった。
「フィル・コリンズのドラムのタイトさ、サウンドの表面をガラス板で覆ったかのようなツヤ、美しいじゅうたんが天まで昇っていくような流れでアルバムが永遠に続きそうな世界観。名盤」。
今回のブログは、このように、これまで福岡の当店で買取してきたレコードやCDの呟きを整理し、新たにまとめてみました。
そこで、最も最近、興奮したのはビートルズのレコード。
レコード再生チェック時に受けた衝撃をSNSに呟かざる気持ちが抑えれませんでした。
その文章が下記となります。
ビートルズ/オーディオ論/音楽考察
ストリングス四重奏をバックに、ポール・マッカートニーがアコースティック・ギター一本でしっとりと歌い上げる不朽の名曲「イエスタデイ」。クラシカルで上品なバラードの代表格とされるこの曲の「骨格」には、実は強烈なロックンロールの身体感覚が息づいている。今回はSNSでの興味深い考察をもとに、その音楽的構造と、当時のレコードならではのオーディオ的深淵に迫りました。
弾いていないベースが見える?「イエスタデイ」
「イエスタデイ」を聴くとき、私たちは耳に聴こえる優美な弦楽四重奏の響きに目を奪われがちだが、名曲の真底に流れているのは紛れもない「ロックンロールの身体感覚」です。「僕の考察と、音楽理論で補完してくれた常連のプロギタリストの視点」で、その本質が浮かび上がってきました。
「ビートルズ『イエスタデイ』。弾いていないのにベースが見える。ロックンロールの身体感覚のまま、クラシカルな衣を纏ってるからグルーヴが消えない。サビから『イエスタデイ〜』に落ちてく感じ、あの下降感はブルース。クラシカルなのに骨格はロックンロールなんだな。だから何回でも聞ける」
私のSNS上の呟きより
実際、この曲でポールはアコースティック・ギターを抱えて歌っていますが、ベースギターの音は一切入っていません。それにもかかわらず「ベースが見える」と感じさせるのは、彼の中に「16ビートのグルーヴ」と「ベースラインの感覚」が完全に血肉化されているからです。
プロギタリストが指摘するポールの「身体感覚」
「ポールは16ビートの感覚で歌っている」
単なるフォークやクラシック調の平坦な譜面通りではなく、ポールの歌唱は極めて細分化された16ビートのパルスに基づいています。
「サビから落ちる「イエスタデイ〜♪」にはブルーノート的なブルースコードが入る」
この下降していく部分には、ブルーノート的なブルースコードが忍び込んでおり、これが単なる綺麗事ではない、土着的なロック/ブルースの陰影を与えています。
16ビートのグルーヴとベースラインの感覚が体に入っていないと、フレージングの「タメ」と「詰まり」が作れず、間延びしてド下手になる。この身体感覚があるから
こそ、歌とギターの間に絶妙な「タメ」と「詰まり」が生まれ、決して間延びしない瑞々しいグルーヴが維持されます。
日本盤赤盤『オールディーズ』で聴く温度差
この「ロックンロールの身体感覚」という視点を持つと、ビートルズのコンピレーション・アルバム『オールディーズ(A Collection of Beatles Oldies)』の曲順が極めて自然に、かつエキサイティングに聴こえてくるから不思議です。
特に、日本盤の「赤盤(東芝EMIからリリースされていた赤いカラーヴァイナル)」で聴く本作は格別な味わいがあります。
ジョン・レノン史上最高の咆哮とも評される荒々しいロックンロール・カバー「バッド・ボーイ」の直後に、あの優美な「イエスタデイ」が収録されているのですが、これが全く同じ熱量、すなわち「同じ温度差」で耳になだれ込んでくるのです。
クラシカルなはずの弦楽四重奏が、荒々しい「バッド・ボーイ」の隣に並んでも全く違和感なくロックアルバムに溶け込んでいる事実こそ、「イエスタデイ」の骨格がロックンロールである何よりの証拠と言えるでしょう。
疑似ステレオが暴く、オーディオの皮肉と深淵
また、当時の音源をアナログレコードで聴く際、もう一つの面白いオーディオ的な謎に突き当たります。それが、当時のEMIが施した「疑似ステレオ(モノラル音源を擬似的にステレオ化する技術)」の存在です。
『オールディーズ』に収録された擬似ステレオ作品は、元のモノラル音源を加工してステレオ効果を出しているため、ポールのベース(ギターの低音部や弦楽の低域)の定位が左右のどちらかに偏り、その動きが目立つ仕様になっています。赤盤特有のどこか低めの音圧も相まって、これが妙にR&Bっぽい泥臭いニュアンスを醸し出しています。
しかし、ここにはオーディオの「皮肉」が隠されています。
「店のB&W 700(ブックシェルフで左右の幅が狭い)だと違和感ゼロなのに、早良区にある広い音楽カフェのB&W 800(3ウェイトール)で聴いたら猛烈な違和感。擬似ステレオは解像度が上がるほど粗が見える。オーディオ環境が良くなるほど正体がバレると言う皮肉。何を持って音が良いか分からなくなる。やはり内容に尽きる」
私のSNS上の呟きより
ハイエンドなオーディオ環境になり、スピーカーの解像度が上がれば上がるほど、不自然な左右のセパレーション(疑似ステレオの粗)がくっきりと見えてきてしまう。一方で、当時の「家具調ステレオ」や、現代でもこぢんまりとしたブックシェルフスピーカーで聴くと、粗が程よく混ざり合って極上の音楽体験に昇華されるのです。
「音が良いとはどういうことか?」という問いに対し、それはスペックの解像度ではなく、「当時の再生環境を前提とした、ミキシングの妙味と音楽の内容そのもの」に他ならないことを、この疑似ステレオ盤は教えてくれます。当時のEMIの疑似ステレオ・ミックスは、当時のリスナー環境においては紛れもない「大正解(当たり)」だったのです。
「イエスタデイ」というあまりにも有名な曲。それはただの美しいバラードではなく、ポール・マッカートニーの体内に宿る圧倒的な「16ビートのグルーヴ」と「ブルースの骨格」が生み出した、極めてロックンロールな名曲でした。
最新のデジタルリマスターでクリアに聴くのも素晴らしいですが、たまには当時の疑似ステレオをアナログレコードで再生し、その不揃いな愛おしさに耳を傾けてみてはいかがでしょうか。そこには、完璧さの先にある、音楽の真のダイナミズムが息づいています。
ちなみに僕は睡眠前に流れてくるiPhoneの小さなスピーカーからのサブスクの未知な音楽に最も興奮します。
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